★連続投稿第三弾。
私の好きなサイトさまCサイド のやまなしさんが電子書籍を発売されました。
紹介記事を書こうと思います。
やまなしさん本人のアピール記事はコチラ 。
『春夏秋冬オクテット』――。
形式としては4つの短編とそれぞれのスピンオフをひとつずつといった感じ。
「色んな人間がいるから世界は面白い」とは、作者やまなしさんが常々主張していることで、この一貫した理念は作品すべてに反映されています。
読み手から見ての明確な悪はちゃんと悪として見えるよう描かれるけど、だからといって必ずしもそれが否定されるわけではない。
見方を変えたら主人公だって一気に悪となる。
みんな、罪を犯す。
みんなが自分の思うようにやって、そしてその中で妥協点を探っていく、そんな短編集。
どこで妥協するかは物語によって違うけれど、それぞれの立場があってこそ人は生きていくんだよってことを丁寧に紡ぎ出すのがやまなしさんです。
さて概括はこのくらいにして、1話ずつご紹介。
『shine』『shining』
行商していたおじいさんが国家に追われた幼女を助けるとこから始まるお話。
これは「業」の話なのかなあ……。罪を抱えて、連鎖して、そして。
『エロ本を買いにいこう!』『アタシハ許サレマスカ』
エロ本を買いにいこうとする16歳の少女の成長物語。
夏らしく清清しくイイ話。
これは本編が他と少し毛色の違う作品で、だからスピンオフはストレートに「罪とは何ぞや」という、全体のテーマを明示した話なのかなと思ったり。
『エロ本を買いにいこう!』はいま期間限定で?丸々試し読みできます。
『コマンド?→A/B/C』『コンティニュー?→Yes/No』
決断を迫られたとき、目の前に画面として選択肢がいくつか現れる能力を持った主人公の話。
殺人鬼が出てきて、その殺人動機に一瞬えっ?と思ったけど結構深い。
『絵のない世界』『たのしみのない家族』
絵や画像が一切取り締まられている国の話。
これ、さすがだなって思ったのはこの国を単なるディストピアにしない点。
どういう国かは本編読んでもらうとして、こういう気配りにやまなしさんの人柄を感じられて好きです。
『たのしみのない家族』は現代版パロ。
ここまでの7編が「自分の思うようにやったら/やろう」という話なのに対し、「思うようにやれなかったら」な話で、その哀愁が物語のまとめに相応しい。
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是非ご一読を~。